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2026
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02
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05
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【産後の不眠】眠れない夜を過ごすのは私だけ?ママの「つらい」に寄り添う睡眠の話

「赤ちゃんはかわいい。でも、正直もう限界…」 出産という大仕事を終えたばかりの体で、昼夜関係なく赤ちゃんのお世話に追われる日々。やっと寝かしつけたと思ったら、あっという間に朝がくる。隣でねむるパートナーを横目に、孤独や不安を感じるママも少なくないでしょう。 けれど、そのつらさを抱えているのはあなただけではありません。産後の不規則な睡眠は、多くの女性が直面する“産後あるある”です。 今回は、そんな産後の女性の睡眠事情にスポットをあてつつ、つらい毎日を少しでも楽に乗り越えるためのヒントをご紹介します。

産後の女性はなぜねむれない?心と体に起きている「大きな変化」

多くのママが口にする「こんなにねむれないなんて、聞いてない」という本音。とはいえ、産後の不眠は、体の変化や生活環境によって起こりうるもので、気合いや根性だけで乗り越えられるものではありません。

だからこそ、睡眠に影響する可能性のある“要素”を事前に知っておくことが大切。ここでは、産後のママがなぜ睡眠不調に陥りやすいのか、その理由を紐解いていきます。

理由①:ホルモンバランスの急激な変化

産後の不眠の原因のひとつと考えられるのが、ホルモンバランスの急激な変化です。妊娠中、女性の体では赤ちゃんを育むために特定のホルモンが大量に分泌されますが、出産後にはそれらが一気に減少。

この急激なホルモン変動が自律神経に影響することで、睡眠リズムが乱れやすくなるのです。気分の落ち込みやイライラ、いわゆる「産後うつ」やマタニティブルーも、ホルモンバランスの変化と深く関係しているといわれています。

理由②:赤ちゃんとの「時差」生活

生まれたばかりの赤ちゃんには、昼と夜の区別がありません。体内時計が未熟なため、2〜3時間ごとに起きては泣き、お腹が満たされるとまた眠る、というサイクルを繰り返します。当然、ママはそのリズムに合わせて寝起きすることになります。

特につらいのが、夜間の授乳。赤ちゃんが泣けば起きておっぱいをあげ、おむつを替え、再び寝かしつける…この一連の作業を夜中に何度も繰り返すのですから、まとまった睡眠は取れません。

また、出産前からねむりの変化がある場合も。これは、数か月後に始まる赤ちゃんとの生活に備え、体が本能的に準備を始めているサインとも考えられています。実際、妊娠後期から「夜中に何度も目が覚める」という女性も少なくないのです。

理由③:昔とは違う、現代の育児環境

「昔の人はもっとたくさん子どもを産んでいたのに、どうして自分だけが不調を感じるの?」と思うかもしれません。しかし、育児を取り巻く環境は昔と今では大きく異なります。

かつて祖父母や親と同居することが多かった頃は、「床上げ」まで母親以外の家族が家事を担い、母親は赤ちゃんの世話に専念できる環境がありました。しかし、核家族化が進んだ現代では、家事や育児をママ一人でこなすケースが少なくありません。

さらに、コロナ禍をきっかけに里帰り出産を選ばない家庭も増えています。頼れる人が近くにいないなか、夫婦だけでこの過酷な時期を乗り越えるのは、精神的にも肉体的にも負担がかかります。こうした負担の一極集中も、ママのねむりを妨げる一因となっているのかもしれません。


「ねむりの可視化」で見えてきた、産後ママの過酷な睡眠事情

わたしとねむり研究所では、新生児を持つ家庭の睡眠事情を明らかにするため、産後ケア施設の協力のもと、あるご夫婦の睡眠を計測しました。あくまでも一例ですが、そこで見えてきたのは、産後ママとパパの睡眠に大きな違いがあるということ。

パパは比較的まとまってねむれているのに対し、ママの睡眠は細切れでギザギザ。同じ部屋にいながら、その質には大きな差があることが、データとして可視化されたのです。もちろん、今後さらに研究を進めていく必要はありますが、この結果は「産後ママの睡眠事情」と向き合う大きなきっかけとなりました。

「夜中に何度も目が覚める経験」は言葉にしても、周りにはなかなか伝わりにくいもの。けれど、客観的なデータがあることで「ねむれていない事実」を共有でき、互いの理解を深めるきっかけになります。

「睡眠の可視化」は、お互いを思いやるための第一歩にもなるのかもしれません。

もう限界…になる前に。ねむれない夜を乗り越える3つのヒント

では、このつらい産後の“不眠期”をどうすれば少しでも楽に乗り越えられるのでしょうか。ここからは、不眠に悩むママがすぐに実践できるヒントを3つご紹介します。

ヒント①:「光のコントロール」でねむりの環境を整える

ママが睡眠時間を確保するには、赤ちゃんがぐっすり眠ることが欠かせません。赤ちゃんの体内時計は、生後3〜4ヶ月頃から徐々に整い始めるといわれています。そこで活用したいのが「光の力」。光を上手にコントロールすることで、赤ちゃんの睡眠リズムが安定しやすくなるかもしれません。

朝になったらカーテンを開けて太陽の光を部屋に取り込み、赤ちゃんに「朝がきたこと」を伝えてあげましょう。外出せずとも、日の光があたる窓際で過ごすだけでも構いません。

反対に、夜は入眠前から部屋を暗めにして、「眠る時間」であることを認識させます。夜間の授乳やおむつ替えには、暖色系の間接照明やフットライトを使うのがよいでしょう。

ヒント②:パートナーと「チーム」になる

夜間のお世話で孤独を感じたら、素直に気持ちを伝えてみましょう。特に細切れの睡眠は熟睡感が得られず、心身への負担も大きくなります。産後の育児は、一人で抱え込むものではありません。パートナーと協力し、「チーム」として乗り越える意識が何より大切です。

ヒント③:「完璧」を手放す勇気

真面目で頑張り屋さんほど、「家事も育児も完璧に!」と自分を追い込みがちです。けれど、今のあなたにとって一番大切なのは、心と体の休息です。掃除や洗濯も、毎日完璧にやる必要はありません。

赤ちゃんが寝ている間は、ぜひ一緒に体を休めましょう。特に、夜の睡眠に影響しにくい「午前中の仮眠」はおすすめです。15分目を閉じるだけでも、体がぐっと楽になるはずです。

産後の睡眠不調はあなたのせいじゃない。つらいときはSOSを

産後の不眠は、終わりが見えないトンネルのように感じられるかもしれません。けれど、赤ちゃんの成長とともに、その状況は必ず変化していきます。

今、あなたが感じているつらさや孤独は、ホルモンバランスの急激な変化や赤ちゃんの生活リズムの不安定さ、そして現代の家族構成などによってもたらされる「避けがたいもの」。決してあなたのせいではありません。

つらいときは一人で抱え込まず、パートナーや周りの人に「助けて」と声をあげてください。区市町村では産後ケア事業を実施しているため、一度ご相談されてみるのもよいかもしれません。

そして、赤ちゃんを愛おしく思う気持ちと同じくらい、自分をいたわってあげてください。「わたしとねむり研究所」も、科学的な知見と温かい共感をもって、産後の女性の睡眠に今後も寄り添っていきます。

産後の女性はなぜねむれない?心と体に起きている「大きな変化」

多くのママが口にする「こんなにねむれないなんて、聞いてない」という本音。とはいえ、産後の不眠は、体の変化や生活環境によって起こりうるもので、気合いや根性だけで乗り越えられるものではありません。

だからこそ、睡眠に影響する可能性のある“要素”を事前に知っておくことが大切。ここでは、産後のママがなぜ睡眠不調に陥りやすいのか、その理由を紐解いていきます。

理由①:ホルモンバランスの急激な変化

産後の不眠の原因のひとつと考えられるのが、ホルモンバランスの急激な変化です。妊娠中、女性の体では赤ちゃんを育むために特定のホルモンが大量に分泌されますが、出産後にはそれらが一気に減少。

この急激なホルモン変動が自律神経に影響することで、睡眠リズムが乱れやすくなるのです。気分の落ち込みやイライラ、いわゆる「産後うつ」やマタニティブルーも、ホルモンバランスの変化と深く関係しているといわれています。

理由②:赤ちゃんとの「時差」生活

生まれたばかりの赤ちゃんには、昼と夜の区別がありません。体内時計が未熟なため、2〜3時間ごとに起きては泣き、お腹が満たされるとまた眠る、というサイクルを繰り返します。当然、ママはそのリズムに合わせて寝起きすることになります。

特につらいのが、夜間の授乳。赤ちゃんが泣けば起きておっぱいをあげ、おむつを替え、再び寝かしつける…この一連の作業を夜中に何度も繰り返すのですから、まとまった睡眠は取れません。

また、出産前からねむりの変化がある場合も。これは、数か月後に始まる赤ちゃんとの生活に備え、体が本能的に準備を始めているサインとも考えられています。実際、妊娠後期から「夜中に何度も目が覚める」という女性も少なくないのです。

理由③:昔とは違う、現代の育児環境

「昔の人はもっとたくさん子どもを産んでいたのに、どうして自分だけが不調を感じるの?」と思うかもしれません。しかし、育児を取り巻く環境は昔と今では大きく異なります。

かつて祖父母や親と同居することが多かった頃は、「床上げ」まで母親以外の家族が家事を担い、母親は赤ちゃんの世話に専念できる環境がありました。しかし、核家族化が進んだ現代では、家事や育児をママ一人でこなすケースが少なくありません。

さらに、コロナ禍をきっかけに里帰り出産を選ばない家庭も増えています。頼れる人が近くにいないなか、夫婦だけでこの過酷な時期を乗り越えるのは、精神的にも肉体的にも負担がかかります。こうした負担の一極集中も、ママのねむりを妨げる一因となっているのかもしれません。


「ねむりの可視化」で見えてきた、産後ママの過酷な睡眠事情

わたしとねむり研究所では、新生児を持つ家庭の睡眠事情を明らかにするため、産後ケア施設の協力のもと、あるご夫婦の睡眠を計測しました。あくまでも一例ですが、そこで見えてきたのは、産後ママとパパの睡眠に大きな違いがあるということ。

パパは比較的まとまってねむれているのに対し、ママの睡眠は細切れでギザギザ。同じ部屋にいながら、その質には大きな差があることが、データとして可視化されたのです。もちろん、今後さらに研究を進めていく必要はありますが、この結果は「産後ママの睡眠事情」と向き合う大きなきっかけとなりました。

「夜中に何度も目が覚める経験」は言葉にしても、周りにはなかなか伝わりにくいもの。けれど、客観的なデータがあることで「ねむれていない事実」を共有でき、互いの理解を深めるきっかけになります。

「睡眠の可視化」は、お互いを思いやるための第一歩にもなるのかもしれません。

もう限界…になる前に。ねむれない夜を乗り越える3つのヒント

では、このつらい産後の“不眠期”をどうすれば少しでも楽に乗り越えられるのでしょうか。ここからは、不眠に悩むママがすぐに実践できるヒントを3つご紹介します。

ヒント①:「光のコントロール」でねむりの環境を整える

ママが睡眠時間を確保するには、赤ちゃんがぐっすり眠ることが欠かせません。赤ちゃんの体内時計は、生後3〜4ヶ月頃から徐々に整い始めるといわれています。そこで活用したいのが「光の力」。光を上手にコントロールすることで、赤ちゃんの睡眠リズムが安定しやすくなるかもしれません。

朝になったらカーテンを開けて太陽の光を部屋に取り込み、赤ちゃんに「朝がきたこと」を伝えてあげましょう。外出せずとも、日の光があたる窓際で過ごすだけでも構いません。

反対に、夜は入眠前から部屋を暗めにして、「眠る時間」であることを認識させます。夜間の授乳やおむつ替えには、暖色系の間接照明やフットライトを使うのがよいでしょう。

ヒント②:パートナーと「チーム」になる

夜間のお世話で孤独を感じたら、素直に気持ちを伝えてみましょう。特に細切れの睡眠は熟睡感が得られず、心身への負担も大きくなります。産後の育児は、一人で抱え込むものではありません。パートナーと協力し、「チーム」として乗り越える意識が何より大切です。

ヒント③:「完璧」を手放す勇気

真面目で頑張り屋さんほど、「家事も育児も完璧に!」と自分を追い込みがちです。けれど、今のあなたにとって一番大切なのは、心と体の休息です。掃除や洗濯も、毎日完璧にやる必要はありません。

赤ちゃんが寝ている間は、ぜひ一緒に体を休めましょう。特に、夜の睡眠に影響しにくい「午前中の仮眠」はおすすめです。15分目を閉じるだけでも、体がぐっと楽になるはずです。

産後の睡眠不調はあなたのせいじゃない。つらいときはSOSを

産後の不眠は、終わりが見えないトンネルのように感じられるかもしれません。けれど、赤ちゃんの成長とともに、その状況は必ず変化していきます。

今、あなたが感じているつらさや孤独は、ホルモンバランスの急激な変化や赤ちゃんの生活リズムの不安定さ、そして現代の家族構成などによってもたらされる「避けがたいもの」。決してあなたのせいではありません。

つらいときは一人で抱え込まず、パートナーや周りの人に「助けて」と声をあげてください。区市町村では産後ケア事業を実施しているため、一度ご相談されてみるのもよいかもしれません。

そして、赤ちゃんを愛おしく思う気持ちと同じくらい、自分をいたわってあげてください。「わたしとねむり研究所」も、科学的な知見と温かい共感をもって、産後の女性の睡眠に今後も寄り添っていきます。

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