JOURNAL

2025
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03
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あきらめる、手放す。睡眠のプロが語る“頑張らない”ねむりのヒント

さまざまなタスクに追われ、忙しい日々を過ごす私たち。 うまく寝付けない、十分な睡眠時間をとれない...など、睡眠の悩みを抱えているひとも多いはず。 規則正しい生活を、と言われても「それができたら苦労しないよ」と思うのが本音かもしれません。 今回は、パラマウントベッドで働く睡眠のプロでありながらも、ひとりの女性として日々を奮闘する3人が、そんな本音と睡眠との付き合い方を語り合う座談会を実施しました。 プロだからこそ伝えられる「ねむり」のエピソードには、ふっと肩の荷が降りるような、そんなヒントが詰まっていました。

岩井さん

睡眠に向き合う仕事をしていますが、自分の睡眠についてはあんまり難しく考え過ぎないようにしています。私の場合、仕事をしつつ母親としての立場もあり、担わなければいけない役割がたくさんある。どうしても自分自身を優先順位の一番にすることは難しいけれど、同時に、自分自身を大切にできないと全てのバランスが崩れてしまうのも事実なんですよね。

だからこそ徹底しているのは「手放す」ということ。疲れてたらお皿も洗わないし(笑)、子どもがお風呂に入ってなくてもOK!もう全部、諦めちゃうんです。元気になったら取り戻せるから、大丈夫って思ってます。

小柴さん

わかります。「諦める」ってすごく大事なんですよね。寝ようと思っても寝られないときもあるけれど、そういうときは寝なくてもいい。どうせ明日か明後日には眠くなるってわかってるから。睡眠って考えすぎると難しいけれど、もっとラクに捉えていいんですよね。

塩貝さん

私も、睡眠は“トライ&エラー”でいいと思っています。睡眠を研究する立場ではあるのですが、睡眠ってそううまくコントロールできるものではないなぁと感じます。

以前、海外から帰ってきてから時差ボケがひどく、2,3ヶ月もの間、寝ても寝ても眠いという時期が続いたことがありました。また、転職前に精神的にナーバスになって、寝不足でお腹を下したりしたことも。私たちの環境って日々変わるから、毎日同じように眠るっていうのは無理なんですよね。からだは正直だから、バロメーターにすればいいのかなと。

小柴さん

睡眠って、理想論を求めがち。もちろん理想はあっていいけれど、非現実的な期待をしない方がラクになれる気がします。どうしても理想の睡眠がとれないこともあるし、本やインターネットに書いてあるHow toが、自分の体調やライフスタイルに合わないこともある。その時々のコンディションで変えていけばいい。「こうしなきゃ」を手放すって、すごく大事ですよね。

岩井さん

周囲に影響されて「◯◯時に起きる」みたいなルールを決める必要もないですし。自分のからだと相談しながら、休める時に休めればいいんですよね。

小柴さん

私は以前3交代制の勤務をしていた時があったのですが、本当に地獄でした(笑)。そもそも規則正しい生活ができないですし。理想は、あくまで理想。

ただ、今思うのは、何も知らないで好き勝手やるのと、知っていて好き勝手やるのでは、全然違うということ。自分にとって良い睡眠体験を持っておくことってすごく大事だなと思います。持っているうえで、選ぶ・選ばないはその時の自分の都合に合わせて決めればよいというか。

塩貝さん

一度自分にとっての“ねむりの正解”みたいなものを持っておくと、少し無理をしたりしたとしても、自然とからだが軌道修正してくれるようになるんですよね。ただ、軌道からの“外れ方”が多少ならよいけれど、ものすごく離れてしまうこともある。常に正解を目指す必要はないけれど、どこまでだったら外れてもいいか、軌道修正できる範囲はどこまでなのか、ということを意識しておくことが大事。私も、仕事や家庭で追い込まれているときは、ギリギリの境界線を走っていることがあります(笑)。でも、どこが境界線なのかを知っているから、そんなに焦らなくて済むんです。

岩井さん

一度、自分にとって良い状態を体験しておくと、リズムを取り戻しやすくなる感覚がありますよね。睡眠を改善するための方法ってたくさんあるし、まずは騙されたと思ってやってみてほしいなと思います。私のおすすめは、まずは朝起きる時間を一定にしてみること。夜寝る時間はコントロールできないことも多いけれど、朝は比較的自分で決めやすいから。みなさんは、自分のベストな睡眠のために工夫してること、ありますか?

小柴さん

私はコーラが大好きなんですけど(笑)、最近はノンカフェインのコーラを飲むようにしています。正直、睡眠にどこまで影響が出ているかはわからないんですが(笑)、睡眠に良いことしてるな〜っていう感覚が大事かなと。睡眠っていろんな要因が絡まって変化していくから、何が効果的かを判断するって本当に難しい。だからこそ、「自分は睡眠にいいことをしているんだ」という思い込みも時には必要だなと思います。

塩貝さん

少し糖質を摂取するのもおすすめです。寝るのにもエネルギーが必要なので、糖質制限をしすぎると眠れなくなることがあります。少しはちみつを舐めるとか、飴を食べるとか、そういう工夫で睡眠の質があがることもありますよ。

あとは、これも気持ちの問題ですが、私がやっているのは“入眠の儀式”みたいなもの。といってもそんな大袈裟なことではなくて(笑)、「今日も一日頑張ってくれてありがとう〜!」って自分のからだに感謝の気持ちを語りかける感じ。意外に、それだけでも心が静まるんですよ。

岩井さん

て、「あ、これかも」って思えるまでは人によって1年くらいかかることも。焦らず気長にやってみてほしいなと思います。

睡眠のプロである3人のお話を聞いて感じたのは、睡眠のあり方は三者三様である、ということ。科学的な“正解”を理解していながらも、それでもなお、自分のからだの声を聞いて、トライ&エラーを繰り返す。本来は、そんな向き合い方こそが、睡眠の“正解”なのかもしれません。巷に溢れる“How to”に、がんじがらめにならなくてもいい。そんなメッセージを受け取って、自分が心地よいと思える睡眠のスタイルを、模索してみませんか。

岩井さん

睡眠に向き合う仕事をしていますが、自分の睡眠についてはあんまり難しく考え過ぎないようにしています。私の場合、仕事をしつつ母親としての立場もあり、担わなければいけない役割がたくさんある。どうしても自分自身を優先順位の一番にすることは難しいけれど、同時に、自分自身を大切にできないと全てのバランスが崩れてしまうのも事実なんですよね。

だからこそ徹底しているのは「手放す」ということ。疲れてたらお皿も洗わないし(笑)、子どもがお風呂に入ってなくてもOK!もう全部、諦めちゃうんです。元気になったら取り戻せるから、大丈夫って思ってます。

小柴さん

わかります。「諦める」ってすごく大事なんですよね。寝ようと思っても寝られないときもあるけれど、そういうときは寝なくてもいい。どうせ明日か明後日には眠くなるってわかってるから。睡眠って考えすぎると難しいけれど、もっとラクに捉えていいんですよね。

塩貝さん

私も、睡眠は“トライ&エラー”でいいと思っています。睡眠を研究する立場ではあるのですが、睡眠ってそううまくコントロールできるものではないなぁと感じます。

以前、海外から帰ってきてから時差ボケがひどく、2,3ヶ月もの間、寝ても寝ても眠いという時期が続いたことがありました。また、転職前に精神的にナーバスになって、寝不足でお腹を下したりしたことも。私たちの環境って日々変わるから、毎日同じように眠るっていうのは無理なんですよね。からだは正直だから、バロメーターにすればいいのかなと。

小柴さん

睡眠って、理想論を求めがち。もちろん理想はあっていいけれど、非現実的な期待をしない方がラクになれる気がします。どうしても理想の睡眠がとれないこともあるし、本やインターネットに書いてあるHow toが、自分の体調やライフスタイルに合わないこともある。その時々のコンディションで変えていけばいい。「こうしなきゃ」を手放すって、すごく大事ですよね。

岩井さん

周囲に影響されて「◯◯時に起きる」みたいなルールを決める必要もないですし。自分のからだと相談しながら、休める時に休めればいいんですよね。

小柴さん

私は以前3交代制の勤務をしていた時があったのですが、本当に地獄でした(笑)。そもそも規則正しい生活ができないですし。理想は、あくまで理想。

ただ、今思うのは、何も知らないで好き勝手やるのと、知っていて好き勝手やるのでは、全然違うということ。自分にとって良い睡眠体験を持っておくことってすごく大事だなと思います。持っているうえで、選ぶ・選ばないはその時の自分の都合に合わせて決めればよいというか。

塩貝さん

一度自分にとっての“ねむりの正解”みたいなものを持っておくと、少し無理をしたりしたとしても、自然とからだが軌道修正してくれるようになるんですよね。ただ、軌道からの“外れ方”が多少ならよいけれど、ものすごく離れてしまうこともある。常に正解を目指す必要はないけれど、どこまでだったら外れてもいいか、軌道修正できる範囲はどこまでなのか、ということを意識しておくことが大事。私も、仕事や家庭で追い込まれているときは、ギリギリの境界線を走っていることがあります(笑)。でも、どこが境界線なのかを知っているから、そんなに焦らなくて済むんです。

岩井さん

一度、自分にとって良い状態を体験しておくと、リズムを取り戻しやすくなる感覚がありますよね。睡眠を改善するための方法ってたくさんあるし、まずは騙されたと思ってやってみてほしいなと思います。私のおすすめは、まずは朝起きる時間を一定にしてみること。夜寝る時間はコントロールできないことも多いけれど、朝は比較的自分で決めやすいから。みなさんは、自分のベストな睡眠のために工夫してること、ありますか?

小柴さん

私はコーラが大好きなんですけど(笑)、最近はノンカフェインのコーラを飲むようにしています。正直、睡眠にどこまで影響が出ているかはわからないんですが(笑)、睡眠に良いことしてるな〜っていう感覚が大事かなと。睡眠っていろんな要因が絡まって変化していくから、何が効果的かを判断するって本当に難しい。だからこそ、「自分は睡眠にいいことをしているんだ」という思い込みも時には必要だなと思います。

塩貝さん

少し糖質を摂取するのもおすすめです。寝るのにもエネルギーが必要なので、糖質制限をしすぎると眠れなくなることがあります。少しはちみつを舐めるとか、飴を食べるとか、そういう工夫で睡眠の質があがることもありますよ。

あとは、これも気持ちの問題ですが、私がやっているのは“入眠の儀式”みたいなもの。といってもそんな大袈裟なことではなくて(笑)、「今日も一日頑張ってくれてありがとう〜!」って自分のからだに感謝の気持ちを語りかける感じ。意外に、それだけでも心が静まるんですよ。

岩井さん

て、「あ、これかも」って思えるまでは人によって1年くらいかかることも。焦らず気長にやってみてほしいなと思います。

睡眠のプロである3人のお話を聞いて感じたのは、睡眠のあり方は三者三様である、ということ。科学的な“正解”を理解していながらも、それでもなお、自分のからだの声を聞いて、トライ&エラーを繰り返す。本来は、そんな向き合い方こそが、睡眠の“正解”なのかもしれません。巷に溢れる“How to”に、がんじがらめにならなくてもいい。そんなメッセージを受け取って、自分が心地よいと思える睡眠のスタイルを、模索してみませんか。

この記事は
わたしとねむり研究所会員限定記事です。

※会員登録は無料です

WRITER

太田 冴

大学卒業後、約8年間の金融機関勤務を経て、2020年早稲田大学大学院社会科学研究科に入学し、ダイバーシティマネジメントについて研究。修士号取得後はフェムテック関係のスタートアップ企業の事業開発支援等を実施。現在は独立し、女性のエンパワメントにつながる企業支援や執筆活動等を行っている。

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